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「STAPが証明されると信じる」論文撤回で共著者バカンティ教授がコメント(全文)
2014年07月02日 20時48分

英科学誌ネイチャーは7月2日、「STAP論文2本を取り下げた」と発表した。これを受け、STAP論文の共同著者で、かつて小保方晴子さんの指導教官だったハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授が、所属する病院の広報を通じてコメントを出した。

バカンティ教授は論文撤回について、「深い悲しみに包まれている」としつつも、今後の再現実験によって「STAPが証明されると信じている」と、期待する言葉を記した。

バカンティ教授が発表したコメントは次のとおり。

英科学誌ネイチャーは7月2日、「STAP論文2本を取り下げた」と発表した。これを受け、STAP論文の共同著者で、かつて小保方晴子さんの指導教官だったハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授が、所属する病院の広報を通じてコメントを出した。

バカンティ教授は論文撤回について、「深い悲しみに包まれている」としつつも、今後の再現実験によって「STAPが証明されると信じている」と、期待する言葉を記した。

バカンティ教授が発表したコメントは次のとおり。

●チャールズ・バカンティ教授のコメント全文(和訳)

「科学においては、データの完全性が、研究結果の信頼性の根本となっています。今回のような事態に至ったことについては、深い悲しみに包まれていますが、理研の報告書で示されたエラーや他の問題についてよくよく考えた結果、私は論文撤回に同意しました。

STAP細胞現象そのものに対して疑問を投げかける情報はないものの、いくつものエラーが見つかり、論文全体の信頼性を損ねてしまったことについては、憂慮しています。

STAP幹細胞のコンセプトは、もともと私と弟マーティンが仮説を立てたものですが、その再現のため、下村博文・文部科学大臣と野依良治・理研理事長が、十分な時間を与えてくれているようだというニュースを聞き、勇気づけられています。STAPが理研によって、またそれ以外の他の研究者たちによっても、証明されると信じています」

チャールズ A. バカンティ 医師

2014年7月2日

<コメント原文>

"In science, the integrity of data is the foundation for credible findings. I am deeply saddened by all that has transpired, and after thoughtful consideration of the errors presented in the RIKEN report and other concerns that have been raised, I have agreed to retract the papers.  Although there has been no information that cast doubt on the existence of the stimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP) cell phenomenon itself, I am concerned that the multiple errors that have been identified impair the credibility of the manuscript as a whole.  I am encouraged by recent news which suggests that Minister Hakubun Shimomura and RIKEN President Ryoji Noyori will allow sufficient time to replicate the core STAP cell concept that my brother Martin and I originally hypothesized, and trust that it will be verified by the RIKEN as well as independently by others."

– Charles A. Vacanti, MD

July 2, 2014

(注:和訳は編集部による)

(弁護士ドットコムニュース)

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