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相次ぐ車の割り込み、あおりトラブル…危険な追跡で「暴行罪」が認められた例も
2017年10月26日 09時41分

6月に東名高速道路で夫婦が死亡した事故の詳細が、明らかになってきた。10月10日に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの容疑で逮捕された男性は当時、高速上で急接近や割り込みを繰り返し、夫婦が乗るワゴン車を無理やり追い越し車線に停止させていたという。

このあまりにも危険な運転に、ネット上では「ありえない」「悪質すぎる」といった声が多数あがっている。しかしこうした交通トラブルは、全国で相次いでいるようだ。

埼玉県では10月16日、国道で約5キロに渡って距離を詰めたり、停車中に車から降りて他の車を蹴ったりなどした男性が、右サイドミラーを鉄パイプで殴ったとして器物損壊容疑で逮捕された。

こうしたあおりや割り込みなどの妨害行為は、犯罪にはならないのか。もしそうしたドライバーに遭遇してしまった場合、どのように対処すべきなのか。中川 龍也弁護士に聞いた。

6月に東名高速道路で夫婦が死亡した事故の詳細が、明らかになってきた。10月10日に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの容疑で逮捕された男性は当時、高速上で急接近や割り込みを繰り返し、夫婦が乗るワゴン車を無理やり追い越し車線に停止させていたという。

このあまりにも危険な運転に、ネット上では「ありえない」「悪質すぎる」といった声が多数あがっている。しかしこうした交通トラブルは、全国で相次いでいるようだ。

埼玉県では10月16日、国道で約5キロに渡って距離を詰めたり、停車中に車から降りて他の車を蹴ったりなどした男性が、右サイドミラーを鉄パイプで殴ったとして器物損壊容疑で逮捕された。

こうしたあおりや割り込みなどの妨害行為は、犯罪にはならないのか。もしそうしたドライバーに遭遇してしまった場合、どのように対処すべきなのか。中川 龍也弁護士に聞いた。

●あおり運転は道交法違反、5万円以下の罰金

あおりや割り込みなどの妨害行為は、犯罪になるのか。

「道路交通法は、直前の車両等が急に停止したときに追突するのを避けることができるよう、必要な車間距離を空ける必要があると規定しています。車間を極端に詰めてくる『あおり運転』は、車間距離の保持義務違反(道交法26条)となります。これは5万円以下の罰金に処せられる犯罪行為となります。

高速道路における車間距離の保持義務違反の罰則は、2009年に引き上げられ、3月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられることとなっています。

また、車両が、後方から進行してくる他の車両の進路をさえぎる形で走行した場合には、加害車両は進路変更の禁止違反(道交法26条の2の第2項)となります。これは5万円以下の罰金に処せられる犯罪行為となります。

加えて、暴走族などが、2台以上の自動車またはバイク(原動機付き自転車を含む)を連ねて通行させて、自由な通行を妨害したような場合には、共同危険行為等の禁止(道交法第68条)に該当します。これは2年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる犯罪行為となります」

●危険な追跡行為で「暴行罪」が認められたケースも

「過去には、危険な追跡行為について、刑法上の暴行(刑法第208条)に該当すると認めた裁判例もあります。

被害車両をしつこく追跡し、時速100キロ程で加速するなど高速度で走行。幅寄せ行為(最短約1メートル以下)を頻繁に行い、被害車両を強引に追い越してその前に斜めに割り込む進路妨害行為を数回行うなどした事案で、『接触さらに交通事故を発生させる危険が極めて高い』として暴行罪を認めました。

重大な交通の危険を生じさせる速度であおり運転を行い、被害者を負傷又は死亡させた場合には、自動車運転死傷行為処罰法の『危険運転致死傷罪』により、人を負傷させた加害者は15年以下の懲役、人を死亡させた加害者は1年以上の有期懲役に処せられることになります」

●ドライブレコーダーであおり運転の記録を

実際に遭遇した場合には、どう対応すればいいのか。

「あおり運転の被害に遭った場合には、被害者としては、あおり運転の被害を受けたという事実を証拠化しておくことが望ましいです。たとえば、運転する車にドライブレコーダーを搭載しておき、あおり運転を動画で残しておくのも一つの方法です。

ドライブレコーダーを前方にのみ搭載している方が多いですが、後方にも搭載しておきますと、後方からあおり運転をしようとする際に、カメラを加害者へ向けた形になりますから、加害者に対する一定の抑止力も出てくるかと思います。

加害者が執拗にあおり運転を続けてきて、身に危険が及んでいる場合には、同乗者に警察への通報を依頼しましょう。同乗者がいない場合は、窓やドアを開けず車外には出ないようにして、警察官がきてから話をするようにすべきかと思います。」

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(弁護士ドットコムニュース)

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