この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
被相続人がお亡くなりになった後,共同相続人間で遺産分割協議を行ったものの,各相続人の考えが一致せず,長年にわたり遺産分割未了の不動産が残っていました。また,被相続人名義の預金も残されたままの状態でした。このままではいつまで経っても権利関係が確定しないことから,遺産分割協議を進めたいというご依頼でした。
解決への流れ
受任後,各相続人との間で,遺産分割協議を進めるための協議を開始しましたが,一部の相続人の方からしかご回答がありませんでした。そのため,家庭裁判所に対して遺産分割調停を申し立てた上で,調停での解決を目指すことにしました。遺産分割調停の期日には,相続人全員が出席されましたので,調停期日ではご依頼者様の分割案を説明してその内容に沿った分割案を提示したところ,ご依頼者様が不動産を取得し,その他の遺産を他の相続人の方々が取得する内容での遺産分割協議が成立しました。
相続人の方々の考えが一致せずに,長年にわたり遺産分割協議が行われていないままの状態が続いている事例はよく見かけます。権利関係が未確定の状態では,税金を誰が負担するのかといった問題が生じたり,遺産の管理をめぐって新たな法律問題が生じることも予想されます。また,相続人の方が高齢になり,更なる相続が発生した場合には,相続人が多数に上り,相続人を確定させるだけでも大変な労力を要します。相続人の方々の意見の対立がどこにあるのかを早期に確定させ,その対立を解きほぐしながら一つ一つ解決していく必要があります。時間が経てば経つほど権利関係が複雑化しますので,相続人間での協議が調わない場合には,早期に弁護士へご相談されることをお勧めします。