犯罪・刑事事件の解決事例
#遺産分割 . #遺言

遺言は,「書いておかなければ。」と思ったときに書くべき!

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横山 巖 弁護士が解決
所属事務所横山法律事務所
所在地長崎県 長崎市

この事例の依頼主

70代 女性

相談前の状況

高齢のご婦人が入所されている施設の方から,ご婦人がとある宗教団体からお金をむしられているので助けて欲しい旨の相談を受けました。その件については,当職がその宗教団体に対し,彼女にはもうお金がないと伝えると,お金がないのであればもう用はないみたいなことを言われあっさり解決したのですが,ご婦人が,そうであれば,その宗教団体に寄付するつもりであった財産は,障害を持つ弟一人に相続させたいと仰られました。そこで,ではすぐ遺言書を作成しましょうということとなりました。ところが,遺言書を作成する際,よくお聞きすると,そのご婦人は,先に亡くなったご主人の遺産について,ご主人のご兄弟と遺産分割協議をされていないことが判明致しましたので,更に,ご主人の遺産について,遺産分割の調停もやらなければならないということになりました。

解決への流れ

遺言書を作成したあと,遺産分割の調停をやっている最中,突然,ご婦人が亡くなりました。それまでは非常にお元気でおられたので,驚くとともに,今度は遺産分割の調停を継続するために,相続人の弟さんに連絡を取り,その代理人として続行したのでした。付き合いがなかったためか相続人のほとんどが持分を放棄されましたが,残った相続人となかなか連絡が取れなかったりしたこともあり,調停は1年近くかかりました。その後,調停は終わったものの,遺産の中に証券類が多数あり,これを全部換金するのにまた1年近くかかりました。こうして,元の依頼者が亡くなられて2年ほど後に事件は全て終了致しました。遺言により単独相続された弟さんからは,お姉さんへの感謝の気持ちと共に,お礼を言われました。

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横山 巖 弁護士からのコメント

先程の事例でもお分かりのように,人間,何があるかわかりません。一寸先は闇で,未来のことについては思い通りいかないことは多いでしょう。よくご相談に来られる中で,父親は○○といった内容の遺言書を書いてやると言っていた,と仰る方がおられますが,遺言書を書いてもらっていない以上どうしようもありません。事例のように,「遺言書を書かなければ。」と思ったら,すぐに書いておくことが肝要です。今回の依頼者の方は,たまたま別件で私が関与致しましたので,偶然遺言書を作成出来ましたが,そうでなければ多くの場合と同様,遺言書作成など無理だったでしょう。遺言は,皆さんが,ご自身の財産を,死後どのように配分するかを決めることが出来る,残された遺族の方への最期の願い・思いです。是非,あなた自身に悔いを残すことがないよう,そして,遺族の方への願い・思いがきちんと実現できるよう,お元気なうちにお作り下さい。