この事例の依頼主
40代 男性
既婚女性と性的関係を持ってしまいました。先方の夫に不倫が発覚して、夫側が弁護士を立てて慰謝料請求をしてきました。200万円慰謝料として請求されているのですが、とても支払えないので、減額して欲しいです。ーーーーーーーーーーーーー(相談時の疑問点・要望点)ーーーーーーーーーーーーー1.私は貯蓄もほとんどなく、現在はバイトしかしていませんので、とても200万円なんて大金準備することはできません。自分がしてしまったことなので反省はしていますが、ない袖は振れないものですから、どうすればよいか途方に暮れています。2.私の方で相手の弁護士さんに直接連絡を取ろうとも考えたのですが、私が考える金額を伝えると「全く反省してない」と言われてしまいそうですし、どの様に話をすればよいか分かりませんので、間に入って交渉して欲しいです。3.不倫関係の期間は4か月ほどで、回数も5,6回程度なのですが、それでも、慰謝料200万円も支払わなければならないほど悪質なのでしょうか。4.どうやら先方夫婦は離婚しないようです。そのような場合、慰謝料の金額に影響するのでしょうか。5.不倫の発端は職場が一緒だったことなのですが、私は既にその職場は辞めています。そのため、その女性とまた会うことはないのですが、このような事情はこちらに有利な事情にはならないのでしょうか。6.私がお金を払った後に女性側に求償するというのは手続が複雑になってしまいますので、今回の件は私がお金を払うことですべて解決してしまいたいです。
もう本当に不安で不安で色々なことが心配になってしまっていたのですが、秦弁護士には、私からの質問に丁寧に回答してもらえました。私としては、相手が請求する200万円という根拠を突き詰めた方がよいと思っていたのですが、そうすると相手を感情的に刺激してしまうと言うことでしたので、敢えてそのようなことをはせず、私の経済力が低いと言うことを軸にして減額交渉をしてもらいました。残念ながら、相手は納得せず、裁判を起こされてしまったのですが、相手は絶対に200万円を払わせたいと言っていましたので、仕方なかったと思っています。数ヶ月間裁判の手続きをしましたが、最終的には、求償権を放棄して100万円を支払うという形で和解が成立しました。100万円の分割払いでしたら、何とか払っていける金額でしたので、無事に解決してほっとしています。
いきなり200万円という高額な慰謝料を請求されると驚いてしまうのは当然かと思います。素人で交渉してしまいますと、相手を感情的に怒らせてしまい、解決が遠のいてしまうことも多いものですから、早めにご相談にいらして下さったのは良かったと思います。確かに、ご依頼者様のおっしゃるとおり、本件では先方夫婦は離婚どころか別居もしていませんでしたし、不貞期間も比較的短期間でしたので、法律的に200万円もの慰謝料が発生するケースだとは思えませんでした。ただ、「法律的にこんな金額の慰謝料になるはずはない」という反論をしてしまいますと、相手をいたずらに刺激してしまいますので、敢えてこのような表現を用いずに、ご依頼者様の経済力が低いことを軸にして、相手を説得する作戦をとりました。もちろん、こちらがしっかりと反省していることは相手に伝える必要がありますので、まずは、反省と謝罪の旨をしっかりと相手宛の文章に盛り込みました。残念ながら、先方はかなり感情的になっており、先方弁護士からも「あまりに非常識な金額だ」と言われていまいまた。結局、先方の怒りは収まらず、裁判を起こされることになってしまったのですが、裁判でも、こちらが反省している姿勢はしっかりと伝えました。また、裁判になりますと、こちらも先方の主張に対して反論することは不可欠になりますので、必要最低限度の反論をし、相手を極力刺激しすぎないような裁判の運営に努めました。裁判でも、先方の怒りは簡単には収まらず、時間はかかってしまったのですが、最終的には、こちらも女性への求償権を放棄して、100万円を支払うこと、これを分割払いとすることで和解を成立させることができました。