この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
派遣労働者が、派遣先で無断で職場放棄をするなどしたため、派遣先から派遣元(依頼主)に対して、当該派遣労働者(相手方)を派遣しないように申し入れがありました。依頼主が派遣先に事情を確認したところ、当該派遣労働者を受け入れたくないとの派遣先の意向が変わらないことがわかったため、依頼主は当該派遣労働者に対して、次の派遣先を紹介しました。ところが、当該派遣労働者は次の派遣先に行かずに、派遣元に対して、退職届を提出しました。退職届を提出した翌日、当該派遣労働者が派遣元に対して、前日提出した退職届を破棄するように言ってきたため、事情を知らない派遣元の社員が、退職届を破棄してしまいました。その後、当該派遣労働者から労働審判の申立てがありました。
解決への流れ
労働審判において、依頼主(派遣元)としては、努力したが相手方(派遣労働者)を従前の派遣先に派遣し続けることができないことになったので、すぐに次の職場で働くことができるよう次の派遣先を紹介したこと、それにもかかわらず、相手方が次の派遣先に行かずに自ら退職届を提出してきたので依頼主に落ち度はないことを主張しました。依頼主は、相手方に対して1円も支払いたくないという意向が強かったのですが、相手方が月半ばに退職届を提出したことを踏まえ、半月分の給与相当額9万円を支払うことで和解しました。
裁判に移行すれば、相手方の請求は棄却される可能性が高かったと思いますが、裁判にかける労力等を考えて、早期に和解するという選択をしました。