この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
Cさんのご両親は離婚したため、Cさんは母親とともに生活をしてきました。その後、30数年経過したところ、金融機関の知らせからCさんの父親が亡くなったことを知り、相応の金融資産があることが判明しました。Cさんのお父さんが亡くなってから1年2か月を経過していましたが、Cさんは父親が死亡したのも知りませんでした。Cさんが調べたところ、Cさんのお父さんは再婚し、後妻と子どもに財産をすべて渡すという公正証書遺言があることを知りました。Cさんはこの遺言をもって弁護士のもとに相談に訪れました。
解決への流れ
Cさんから事情を聞いたところ、お父さんが死亡してから1年2か月を経過しているものの、死亡の事実も遺産の内容を知ったのがまだ、弁護士相談の2か月前ということから、遺留分減殺請求をする期間を経過していないと判断し、Cさんの後妻とその子どもに遺留分減殺請求の内容証明郵便を送り、遺産の総額を知らせるよう伝えました。その後、不動産の評価などで交渉を持ち、遺留分を計算し、請求したところ、無事、遺留分相当額が支払われ、解決することが出来ました。
たとえ、遺言に記載がなくとも、子どもには遺留分(法定相続分の2分の1)があります。Cさんのお父さんは、1年以上前に亡くなっていますが、遺言などから自分の遺留分が侵害されていることを知らないと、遺留分減殺請求権を行使できませんので、遺言の内容を知ったときから1年となります。Cさんのように離婚して、父親と音信不通になっていると相続自体も知らない場合がありますが、相続が発生した事実を知った状況などについて争いが生じる場合がありますので、相続があったことを知った時の状況、たとえば郵送文書で知った場合には消印がある封筒は捨てないことが大切です。