この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
ご相談者の親(被相続人)が亡くなり、ご相談者とその妹(以下、単に妹といいます。)が相続人となり、相続財産は不動産、預貯金等がありました。妹は、①不動産を売却し、その代金を各1/2の割合で分配すること、②被相続人に対して、多額の立替金があるうえ、祭祀承継は自分がやるため預貯金等は全て自分が相続すると主張してきました。ご相談者としては、①は納得していたものの、②については法定相続分に従って相続することを望んでいたので、納得がいかず、ご相談に至りました。
解決への流れ
遺産分割調停を行い、②については、確かに立替金があったため、相手方に各種資料の提出を求め、最終的に4割程度を取得するような形で合意しました。また、①については当初はお互いの意見が一致していたため、弊所が関与することなく進めるという話でしたが、資料を見せていただくと、売却価格の増加が見込めるものでした。そこで、当方で新たに不動産会社をつけ、不動産売却について入札制にすることで、売却価格や条件をより有利なものとしました(当初、取壊費用負担のうえ、約1億8000万円での売却だったものが、取壊費用の負担不要で、売却価格が約2億5000万円)。また、提携の司法書士、土地家屋調査士の協力のもと、不動産売却に向けて、①売買契約書の確認、②契約締結立ち合い、③不動産相続登記、④確定測量図の作成等を併せて行いました。
今回のケースは相続財産の額が大きく、相続人間で意見が対立するケースであったため、様々な工夫と配慮が必要となる事案でした。不動産の売却に際しては、不動産業者のコネクションを活かして売却先を見つけたり、契約書のチェックや立会いなどを精力的に行いました。また、併設する司法書士・土地家屋調査士事務所と協力することにより、測量・登記を含め、ワンストップで案件処理に対応いたしました。また、依頼者の要望は当然のことながら第一ですが、弊所はよりよい解決となるように積極的な提案を行います。今回も不動産売却に関しては、予定とおり進めるというのがご相談者のご意見でしたが、我々が積極的に提案することにより、ご相談者と相手方と併せて総額7000万円近いプラスがありました。