この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
依頼者は、バイクの運転中に自動車と接触、転倒してバイクが破損したほか、右手も骨折してしまいました。本件の依頼を受けたのは、比較的軽傷で済んだ事故の相手方から、先に損害賠償訴訟を提起され、その裁判の代理人として対応したことがきっかけでした。もっとも、この時点では、依頼者の方はまだ治療中であったため、当方は物損に関する反訴のみを提起していました。その後、依頼者は2度の手術を受けたものの、完治することなく症状が固定してしまいました。そこで、今度は事故の相手方に怪我の賠償を請求するため、再び本件の依頼を受けることになりました。
解決への流れ
受任後、まずは依頼者の代理人として被害者請求を行いました。その結果、第10級の後遺障害等級が認められました。その上で、次に、怪我の賠償を請求するための方法として、訴訟、又は、紛争処理センターへの斡旋申立てを行うことを検討しましたが、本件では、よりメリットが大きいと考えられる斡旋申立てにより解決を図ることにしました。そして、紛争処理センターでは、特に事故による将来の収入減少について、妥協することなく徹底的に争うことで、約3000万円が依頼者の怪我の損害として認められ、無事、保険会社とも示談により解決することができました。
本件の依頼者とは、2度の手術を経た上での解決であったこともあり、2年以上の長いお付き合いとなりました。交通事故による怪我の損害賠償は、後遺障害等級が大きければ大きいほど、保険会社との間で損害額に関する争いも大きくなり、交通事故に関する専門的な法的知識が必要となります。また、交通事故の解決には、訴訟による解決だけでなく、紛争処理センターによる解決という選択肢もあり、それぞれにメリット、デメリットがあります。本件では、過去に取り扱った交通事故案件に関する多くの経験を踏まえ、訴訟よりも紛争処理センターでの解決の方がメリットが大きいと考えられたため、紛争処理センターによる解決を選択しました。結果、当方の主張もほぼ認められる形で、かつ、早期解決を図ることができ、依頼者にも非常に満足して頂くことができました。