この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
個人事業の失敗により取引先等への支払いができなくなりました。住宅ローンの支払もあります。住宅については,できれば今後も住み続けることを希望します。
解決への流れ
住宅資金特別条項付きの個人再生手続きを選択することとしました。安定した再就職先が早期に確保できたため,予想される返済額に応じた毎月の入金を確実に実行した上で,個人再生の申立をしました。住宅ローン以外の債務については,5分の1に圧縮し,住宅ローンは,毎月確実に支払いました。再生計画の終了まで5年間かかりましたが,住宅ローン以外の債務はなくなり,住宅には現在でも居住し続けることができました。
個人再生は,裁判所の認可を受けて,債務を圧縮して返済する制度ですが,裁判所には,確実に計画が実行できる見込みであることを説明する必要があります。そのため,再生計画認可をする前提条件として,一定期間,弁済見込額と同額を指定口座に入金してもらうことになっています。これを履行テストと呼びます。自営業者の場合,法的整理に着手した場合,失業となってしまうため,この履行テストの実行が難しい場合が少なくないのですが,相談者は,事前相談の段階から再就職先の確保を伝えており,すぐに再就職先を確保できたため,民事再生計画の履行が可能と判断されました。個人再生手続が成功するためには,なるべく早期の事前相談が重要です。